漢方治療について

漢方薬について

漢方とは、東洋医学のことで鍼灸や漢方薬も含めた医学です。元々、中国から伝来した医学ですが、日本独自の医学として発展しました。当院では漢方薬のしおりを取り揃えております。

西洋医学と東洋医学(漢方薬)の違い

西洋医学は具合の悪い方に対して、経過や検査で判断し、その病気に対して治療するものです。東洋医学は病気を診るのではなく、病人の身体全体を総合的に診て治していく、という医学です。漢方は西洋医学の病名がついていない病態・症状に対してもアプローチが可能です。

漢方薬の副作用は?

漢方薬にも副作用はあります。西洋薬が3%なのに対して東洋薬(漢方)は1%
薬の種類によって、また、人によって、副作用の発生頻度や種類、程度は違ってきます。種類によって、肝機能障害や間質性肺炎、湿疹が出るものもあります。その際は、医師や薬剤師へご相談ください。

ドラッグストアで販売している一般用漢方製剤と処方薬の違い

ドラッグストアに売っている一般用漢方製剤は、服用者自身で選び購入することができますが、安全性を考慮して1日分の服用量が少ない場合があります
例えば、風邪を引いたときの葛根湯であれば、早めに内服しても服用量が少ないと症状改善効果が遅いことが考えられます。

先生おすすめの漢方薬

院内に掲示しております。

先生おすすめの漢方薬
先生おすすめの漢方薬
先生おすすめの漢方薬
先生おすすめの漢方薬

疲労倦怠の東洋医学的な考え方

監修:東京女子医科大学附属東洋医学研究所
所長 教授 
木村 容子先生

東洋医学では、慢性的な疲労倦怠感がある場合、全身の「気」が不足している「気虚」と考える。「気」は毎日の食事などで作り出されるため、胃腸の働きが低下する「脾虚」の状態では、体が十分なエネルギー(気)を作り出せず、慢性的な疲労倦怠が生じやすくなる。このような場合は、胃腸の機能を高める人参や黄耆を含む参耆剤(じんぎざい)などが用いられる。
また、全身に栄養を運ぶ「血」が不足している「血虚」の状態でも、疲労倦怠を感じやすくなる。この場合は、当帰や芍薬などの補血薬を用いる。
成長・老化と関係の深い「腎」の働きは加齢に伴い衰える。これを「腎虚」と呼び、疲労倦怠の一因となる。『皇帝内経素問(こうていないけいそもん)』では男性の「腎」のピークは32歳、女性は28歳であり、それ以降は徐々に働きが衰えると記載されている。「腎虚」による疲労倦怠では腰痛や下半身の脱力感などの症状を伴いやすい。

気虚タイプ(胃腸の不調を伴う疲労)

気虚タイプ(胃腸の不調を伴う疲労)
  • 全身倦怠感
  • やる気が出ない
  • 食後の眠気
  • 汗をかきやすい
  • 食欲不振、胃もたれ

 生薬 

人参、黄耆、白朮、甘草など

血虚タイプ(栄養不足を伴う疲労)

血虚タイプ(栄養不足を伴う疲労)
  • 全身倦怠感
  • めまい感
  • 髪が抜けやすい
  • 冷え
  • 月経異常
  • 皮膚の乾燥
  • 肌つやや顔色が悪い

 生薬 

当帰、芍薬、阿膠、竜眼肉など

腎虚タイプ(腰痛や冷えを伴う疲労)

腎虚タイプ(腰痛や冷えを伴う疲労)
  • 下半身を中心とした倦怠感
  • 目がかすむ
  • 冷え
  • 腰痛
  • 下半身の脱力感
  • 手足のほてり
  • 排尿障害、夜間頻尿

 生薬 

地黄、山薬、遠志、五味子など